元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第2016回
いまこそ再読したい「桜沢如一」語録

「港における輸入食品の扱いの実態」を大特集した
いま発売中の月刊「むすび」誌1 3月号の話の続きです。
「港を訪れる機会を得て実際に目の当たりにしてみると、
鳥肌の立つような風景が広がっていました。(略)
こんなものを食べさせられていたのか、
あんなものが食卓に載っていたのかと思うと、
空恐ろしくなります。」(「むすび」3月号の巻頭特集より)

この食の堕落、食卓汚染の実際を、
どう見直していけばよいのか?
食料輸入大国日本の安全チェックや
食料自給体制の再構築について
早急に手をつけることはいうまでもないわけですが、
もっと大事なことは、
日本人、一人一人の食発想の改革ではないでしょうか?
僕はガン闘病の中で「食といのち」について痛感した身ですから
この大特集を読んで、さらに深く考えさせられました。
いま「食育」運動が盛んに喧伝されていますが、
これとて輸入食品体制によりそった、
西洋栄養学式の「栄養バランス思想」の域を出ないもので、
日本人の身と土にあった
食思想とは、あまりにもかけ離れたものだと僕は思うのです。

では、これから日本人に必要な
「いのちと食」の根本思想とはなにか?
それは、月刊「むすび」誌を発行している
正食協会などが提唱している
マクロビオティック食哲学だと、僕は思っています。
この食哲学の始祖は桜沢如一さんで、
「無双原理」と題して、半世紀以上も前に
国内ばかりか海外にも普及させた・・・という話は、
まえにもこのコラムに書きました。(第2002回)

さて、その正食の始祖・桜沢如一の語録=
「食養人生読本」の一部が、
いま発売中の「むすび」誌 ※1の巻頭言に引用されています。
題して「病気を治すのは『こころ』にあり」というものです。
いまの食の堕落、食卓汚染に見舞われた、
僕たちが読むと「なるほど」と思い知らされる名言ですから、
そのポイントを紹介しましょう。

「いっさいの病気と不幸は
正しい世界観をもっていなかったからか、
間違った指導原理をもっているからです。
道を知ることこそ唯一の善であり
これを知らざることこそ唯一の悪である――エピクテタス。
この『こころ』が病気を治してくれるのです。
この『こころ』の国に入らなければ病気も治らないし、
また一生健康で幸せに暮らすこともできないのです。(中略)

食物を正しくして病気を治すのは、
その食物を正しくすることによって『心』の『魂』の
病気を治すことが目的なのです。(略)
肉体の病気は心の病気の救いを求める信号なんです(略)

食事は食事の規則を教えるものだと思っている人があります。
大きな間違いです。
食養は金ピラや、大根や人参やコブや半つき米を
食べることだと思っている人がいます。馬鹿ですな。(略)
食養とは、
何を食っても(好きなものばかり食って)決して病気にならず、
毎日毎日を力強く、(何の心配もなく)
楽しく暮らしながら、
何かしら残る仕事を仕上げることなのです。
それは神を知ることであり、(略)慈母を慕う幼児のように、
大自然――絶対無限――を驚嘆することなのです」

どうでしょうか? 長寿社会と食堕落のハザマで生きる、
僕たちの「心」と「魂」に、
ズシリと応えるメッセージだと思いませんか?


1 http://www.macrobiotic.gr.jp/musubi/top/index.html


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2008年3月4日(火)

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