元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第2065回
旅は「いのちの学校」だ

僕もカミサンも、よく気分転換に海外旅行を楽しみますが、
最近は、よる年波で体力が衰えてきましたのでしょうか、
そうそうチベットやパキスタンといった秘境をめぐる
冒険旅行は出来なくなりました。やはり、
国内の温泉旅行が多くなってきたなあ、思っています。

そんなことをぼやいているときに、
とてつもなく、アドベンチャーな旅の新刊本が届きました。
『さぁ、出発だ!(Abgefahren)
――16 年かかったバイク世界一周』
(クラウディア・メッツ+クラウス・シューベルト著
スラニー京子訳)という480ページの分厚い本です。
送ってくれたのは、スローヘルスの会の仲間で、
風雲舎という出版社の社長をしている、山平松生さんです。
といっても分からない人は、
昨年暮れに、帯津良一医師と現代語訳「老子」で話題の詩人・
加島祥造さんとの対談集<『静けさに帰る
というベストセラーを出版した人です。

さて、今回は趣を変えて、
グッと若い読者にメッセージする本ですので
読むとなかなかハラハラ、どきどきもしますが、
不思議と心が豊かに膨らんでくる魅力的な本ですから、
旅好きの方は読んでみてください。

10ヶ月の特別休暇をもらった
ドイツの23歳と20歳の若いカップルが、
オフロードバイクにまたがって
ドイツのケルンから日本に向かい、
結局、16年かけて世界を一周する・・・、
これを79枚の写真と共にまとめたわけですが、
とにかく、僕やカミサンのように、
ブーンと飛行機で飛んでいって、
世界のあちこちを「点」で旅するのではなく、
「線」で世界を駆け巡るわけですから、
若いエネルギーとは、
計り知れないパワーを秘めているなあと
改めて感心させられます。

インドで人生の深さを知り、
トルコでは追い剥ぎに襲われ、
中国では警察相手に追いかけっこ、
日本では合気道に汗を流し、銀座のホステスに。
ユーコン川を筏で下り、
アマゾンではバイクの駆動力でボートを造り、
アフリカの大地を夢中で走る・・・という
まさに危険がいっぱい。
波乱万丈のエピソードにあふれているわけですが、
その16年のバイク旅行で得た著者の結論がよかった。

「旅すること――それは僕にとって
自分自身をさらによく知るための内面の旅でもある。(略)
自分の直感に従い、
即座にものごとを判断する術を教えてくれたのだ。
旅というのは、何にもまさる学校である。
なによりも旅は僕らの視野を広げ、
自我の意識を強めてくれる。(略)
膨大な経験の積み重ねが、
僕らの人生をさらに豊かなものにしてくれます」

僕たちの敬愛する「いのちの先達」である
帯津良一先生も「人生は旅情」だといっておられますが、
年齢を問わず、
「旅というのは、何にもまさる学校」でしょう。
興味のある人は、この若者二人の
16年間のバイク世界旅行の様子を
カラー収録したホームページ1がありますから、
まずはここを覗いてみてください。


1 http://www.16nen.com/


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2008年4月22日(火)

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