旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第95回
旅行商品は「生鮮食料品」と同じ!?

同じ便の同じ座席クラスなのに、航空券の値段が違う。
同じホテルの同じ階なのに、宿泊費が違う。
あなたはそれを不公平だと怒るでしょうか。
もし、怒るなら海外旅行はやめた方がいいかもしれません。
なぜなら、値段が違うのが当たり前だからです。

もちろん正規の航空券やラックレート(定価)の宿泊費なら、
値段はすべて同じです。
しかし、格安航空券や割引宿泊レートが
大量に出回っているのは周知の通りです。
出回っていると言うとバーゲン商品のようですが、
実際には、格安航空券や割引宿泊レートは、
列記とした販売戦略の中で設定されているものです。

ただ、格安航空券や割引宿泊レートは、
購入先や購入手段によって値段が違う。
格安航空券は旅行会社から購入しますが、
会社によって値段はバラバラです。
割引宿泊レートも、旅行会社やクーポン会社、当該ホテルなど
多彩な購入先があり、さらに値段はそれぞれ異なるのです。
両方とも販売する側が熾烈な顧客獲得競争を繰り広げ、
だいたいの料金相場はありますが、定価はありません。

さらに、出発日や宿泊日が近づいてくると、
だんだん値段が安くなることがある。
その場合、早めに購入した人と、遅く購入した人とでは、
値段が変わっていることになる。
つまり、購入した時期によっても値段が違ってくるわけです。
これはパッケージツアーでも同じことです。
旅行商品は出発日や宿泊日が過ぎてしまえば、売ることは不可能。
腐ってしまった生鮮食料品のようなものです。
ですから、そうなる前に顧客を集めるべく、
様々な料金設定をして集客するわけです。
航空券ならボーナス・マイルを付ける、
ホテルならディナー券をサービスするなど、
付加価値を付けて売られることもある。

そんな多彩な商品の中から、自分が納得できるものを選ぶ。
それが、旅行商品を買うということなのです。
試しに、今度飛行機の中で隣り合わせた人に、
航空券をいくらで買ったか聞いてみてはどうでしょう。
自分の方が安ければ、トクした気分になりますし、
高ければ逆の気持ちになります。
でも損したと思っても、その時点ではすでに手遅れですから、
くれぐれも乗務員にクレームをつけたりしないでくださいね。


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