旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第164回
鉄道の旅こそ贅沢

東京で電車に乗るのは嫌です。
私の場合、電車の中は時として、
原稿の校正刷りを読む「仕事場」と
化してしまうくらいですから。
少しくらい遠出してみても、
国内だとあまり嬉しくはありません。

理由は、昔よく乗ったからです。
最近、JRのCMソングに懐かしい歌が使われています。
山口百恵さんが歌った唄で、
今は別の女性シンガーが歌っています。
あれは確か、1970年の半ばにヒットした唄で、
私は当時、中学生でした。あの唄を聞きながら、
鉄道を使った旅に、なんとなくロマンを抱いたものです。
現に、その後、新幹線、寝台列車、鈍行と
何度となく利用しました。
おかげで、少し飽きてしまったのだと思います。

ですが、海外で鉄道に乗るといえば印象はまったく違います。
シベリア鉄道やアムトラックの一部(大部分?)など、
まったく退屈な風景が広がる列車も珍しくありません。
ですが、雪のスイス・アルプスを抜けていく列車や、
フランス風の街並みからイタリア風の街並みへと
移り変わる景色が美しい地中海沿いの列車など、
おすすめしたいルートは、数多くあります。
海外の鉄道を特集した雑誌やムック本は、
よく売れると言われますが、
鉄道での旅には旅情をそそる何かがあるのでしょうね。
地球の反対側でも半日で行ける、飛行機全盛の時代ですが、
だからこそ、ゆったりとした鉄道の旅が贅沢な印象が贅沢に
感じられるのかもしれません。


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