旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第165回
あなたは神をどう思いますか!?

アメリカの田舎などに留学すると、
「あなたは神をどう思いますか」などと、
宗教的な話をされることは珍しくありません。
もちろん、はっきりとした信仰を持つ人なら、
すらすらと答えることができるでしょう。
しかし、結婚式やお葬式のときくらいしか、
宗教に触れることのない大部分の人にとっては、
答えに困る「難題」です。

日本では仏教徒が90%以上を占めると言われますが、
現実には、日本に普及している仏教には、
神道や土着の「先祖供養(崇拝)」などが交じり合い、
たとえば東南アジアの仏教などとは、
ずいぶん性質が違うもののようです。
キリスト教やイスラム教のように、
はっきりと信仰の対象がある宗教と比べると、
日本でいうところの仏教というのは、
哲学的な性格が強いとも言われています。
普段から信仰について考えていないなら、
そんな質問をされても、
答えることができないのは当たり前というものです。

そういえば、学校で、
宗教の沿革や成り立ちなどは教えても、
考え方や価値観などについては、
あまり詳しく習った覚えがありません。
私立では違う学校もありますが、
公立学校ではそうでしょう。
私の場合、仕事が軌道に乗る前、
20歳台の半ば頃ですが、かなり暇な時期があり、
そのときに外国の宗教について、
易しく書いてある本を何冊か読みました。
ですが、理解できたものと、
さっぱり理解できないものとがあります。
いえ、理解できたと思っていても、
それは頭で分かったつもりになっただけかもしれません。
おそらく宗教的な体験というのは、
感情的で直感的な部分が大きいと思うからです。
しっかりと宗教的な考えが根付いている国で、
人々とのコミュニケーションがうまく取れないときは、
彼らの価値観を理解できていないのかもしれません。


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