「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1047回
横浜の狸小路に出没(その3)

豚珍味のオンパレードだった「味珍」をあとにして
さして広くもない狸小路を徘徊する。
ホロ酔いで夜の盛り場をウロウロするのは
呑ん兵衛ならではの楽しみのひとつ。
森進一の「盛り場ブルース」か藤圭子の「はしご酒」を
思わず口ずさみたくなるほどのものだ。
こんなときは下戸が何をほざこうが
負け犬の遠吠えにしか聞こえてこない。
(飲めない方々、怒らないでネ)

酒も煙草もオンナもやらず
    百まで生きたバカがいた

昔の人はオツなことを言ったものですな、まったく。

物色に物色を重ねて選んだのは「のんきや南幸店」。
近所に姉妹店があり、そちらは北幸店と称する。
過去に似たような屋号の居酒屋「のんき」、
あるいはスナック「のんき」なんていう場所には
何度か足を踏み入れた記憶がある。
いずれも私鉄沿線の場末であった。
ところがえてしてそういうところに
“のんきな父さん”みたいな店主がいたタメシはなく、
けっこうボラレたような気がする。

はたして狸小路の「のんきや南幸店」にも
“のんきな父さん”の姿はなかった。
代わりに“のんきな母さん”らしき女将さん、
そして・・・実は「味珍」のやかんのせいか
この頃はすでに酔いが回り、よく覚えていないのだが
若いお姐さんも居たような、居なかったような・・・。

初っ端に酔い醒ましのビールを飲んだ覚えはある。
ただそれが大瓶だったか、中瓶だったか、
そしてキリンだったのか、サッポロだったのか、
そのへんが丸っきりあやふやだ。
食べたものの映像はカメラに収めても
ビール瓶の写真は撮らないものナァ。
卓上の品書きをパチリとやったのでチェックすると
 ビール・・・710円
とあったから、この値段なら大瓶だろう。

食べものはこんな感じであった。
 やきとり・・・各120円
  カシラ・タン・ハツ・シロ・ナンコツ・
  コブクロ・カワ・ねぎ・ピーマン
 冷奴、銀杏・・・各300円
 ラーメン、ワンタン・・・各550円
 チャーシューメン・・・650円 
 ワンタンメン・・・750円

やきとりといっても実際はやきトンが主体だ。

ここのやきとり、一人客には同種類2本からだが
二人客は4本となり、このへんがやや不親切。
よってワリにムシャムシャいけちゃうピーマンを選んだ。

鶏胸肉がねぎま状に入っている
photo by J.C.Okazawa

ねぎまにならって呼べば、
“ピーマンま”ということにでもなろうか。

緑の野菜を補給し終わり、締めのラーメンを。

正統派の中華そば
photo by J.C.Okazawa

化調は感じられるものの、
細打ちちぢれ醤油味は東京ないし、横浜ラーメンの王道。
札幌・喜多方・佐野・和歌山・尾道・博多・熊本・鹿児島と
ご当地ラーメンは枚挙にいとまがないけれど、
やはりシンプル・イズ・ザ・ベストだろう。

エッ、つけ麺はどうだ? ってか?
ハッキリ言って、あんなモン食うヤカラの気が知れません。
それも長蛇の列に長時間を費やしてまで。
この世は今も昔もタイム・イズ・ザ・マネー、
失われる時の長さに身をまかせてはいけません。


【本日の店舗紹介】
「のんきや」
 神奈川県横浜市西区南幸1-1-1
 045- 311-6566

 
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2010年7月9日(金)

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