「一歩一歩、おいしさを探して」
J.C.オカザワの脚で綴ったダイアリー

第1046回
横浜の狸小路に出没(その2)

まず初めにお詫びと訂正です。
手違いにより昨日のコラムの冒頭部分が
抜け落ちてしまいました。
読者におかれては
「はて? 何のことやら?」――だったと思われます。
修正いたしましたので、あらためてご覧ください。
失礼の段、お詫びします。

さて、横浜駅前の狸小路「味珍(まいちん)」に来ている。
だが、その前に今しがた終わった熱戦を振り返ってみたい。
スペイン戦ではドイツの弱点と限界が
白日のもとにさらされ、パワーと高さだけでは
現代サッカーの盟主たり得ないことがあらためて実証された。

W杯でもユーロでもここ十数年、
ドイツはまったく似たようなチームであり続けている。
負けても負けても懲りない面々なのである。
格下にはとてつもない強さを見せつける一方で
パスサッカーの強豪相手には成す術がなかった。
退屈極まりないサッカーは
“弱い者いじめの典型”としか言いようがない。
先輩のクリンスマンもそうだったけれど、
クローゼなんか、周りが盛り立ててくれないと
箸にも棒にも引っ掛からぬデクノボウに過ぎない。

スペインはサッカーのエッセンスを世界にお披露目してくれた。
これがサッカーの原点であり、つきることない魅力であり、
日本代表が手本とし、目標とすべき理想形でもある。
もっともそこに到達するまでの道のりは長く険しく、
その前途を思うと、出るのは溜め息ばかりなりけり。

ウルグアイを一蹴したオランダとの決勝戦が楽しみだ。
‘74年の西ドイツ、‘78年のアルゼンチンと
苦闘の末の準優勝をつぶさに見ているから
心情的には今度こそオランダに優勝の美酒を味あわせたい。
でも、どうしてもスペインの魅力には抗しがたい。
トロフィーを手にするにふさわしいチームは
やはりスペインなのであろう。

ハナシを南アから横浜に戻そう。
「味珍」の辣白菜と豚のカシラ肉を楽しんでいる。
ビールがカラになり、お替わりは当店名物のやかんだ。
はて? やかんとは何ぞや?
百聞は一見にしかず、まずはとくとご覧あれ。

アラジンのランプのようなやかん
photo by J.C.Okazawa

ピッチャーの中身は焼酎の水割り。
その隣りのジョニーウォーカーのボトルが
秘伝の梅シロップということになる。
グラスに注がれた焼酎に各自、適宜にシロップを垂らす。

豚の尻尾
photo by J.C.Okazawa

つまみをもう1皿。
ツレのK子嬢が所望したのは豚の尻尾である。
彼女いわく、頭と尾の両方が揃って初めて
尾頭(おかしら)付きの完成なのだそうだ。
 ♪ 枝も栄えて 葉も繁る ♪
こりゃ、めでたいや。

勘定を済ませ、これからもう1軒。
おっと、その前にくだんの急階段を降らねば――。
 ♪ 行きはよいよい 帰りはこわい ♪
ここの2階で深酒は禁物。
素面(しらふ)で降りてもこわいよ、この階段は!

            =つづく=

「味珍(まいちん)」
神奈川県横浜市西区南幸1-2-2
045-312-4027

 
←前回記事へ

2010年7月8日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ