蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第34回 (旧暦2月4日)
昔の仙人は冬眠の術を持っていた?

今日は二十四節季の啓蟄(けいちつ)にあたります。
啓蟄というのは、冬のあいだ土の中で冬眠していた虫たちが
寒気がゆるんで外に這い出してくるという意味ですから、
いよいよ春が近づいてきたというわけですネ。
さて、その冬眠ということですが、動物学に従えば、
陸生の変温動物の多くと一部の恒温動物に見られる越冬生態で、
体温や呼吸数、酸素消費などを低下させて
エネルギー消費を抑えることによって
寒冷と食糧不足の冬をやりすごすことをいいます。

ところで、毎年この啓蟄の日を迎えると、
仙人めの頭には、きまって或るひとつの想いが
浮かび上がってくるのですナ。
それは、古(いにしえ)の中国に実在したという
ホンモノの仙人サマたち、とりわけ800年も生きたといわれる
彭祖(ほうそ)などは、
おそらく「冬眠の術」を身につけていたに相異ない、
ということです。

ちなみに、モロモロの書物をひもといて
彼の国の仙人食というものを調べてみますと、
仙人サマたちの好物というのは、
たとえば霊芝(マンネンタケ類)、ナツメの実、イワタケ、
ハスの実、クコの実……といったようなもので、
現代の栄養学から判ずるかぎり、
トテモトテモ酷寒の冬を乗り切れるような
シロモノではありません。
しかも、仙人というのは、動物食はモチロンのこと
「穀断(こくだち)」といって
一切の穀類を摂らぬのが掟(オキテ)でしたから、
仙人食による摂取カロリーは
ほとんどゼロに近いといっていいのです。
それなのに、仙人サマたちがヘイキで
200年も300年も生きられたということは、
彼らが夜寝・昼寝・朝寝のほか
春眠の術・夏眠の術・秋眠の術・冬眠の術を会得しており、
200年、300年の生涯のうち150年か250年分は
寝て暮らしていたのではないかと、
修行の足りぬ平成の仙人めは邪推いたすのでアリマスよ。

もっとも近年では、啓蟄のころになるとヤオラ目を覚まし、
年度末の残り予算を急いで使い切るために
道路などをホジクリ返す海千山千のセンニンたちが居ますから、
仙人サマ発明の「冬眠の術」は、
ヒソカに彼らの世界に受け継がれているのかもしれませんナ。


200歳まで生きたといわれる呂尚仙人


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