蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第36回 (旧暦2月6日)
ハチミツはハイオク・ガソリン

3月8日は「ミツバチの日」だそうです。
そこで今日はハチミツの話を
取りあげてみることにしましょうか。
今回は少々科学的な話になりそうで恐縮ですが、
そこが肝要なので、まあ聴いて下さい。

ハチミツは、花が分泌する花蜜(かみつ)をミツバチが集め、
唾液腺から分泌するスクラーゼという酵素で
果糖とブドウ糖に分解し、
それを80%程度まで濃縮したもののことです。
一方、糖質というのは、分子量の大きさによって、
単糖類(ブドウ糖、果糖など)、
二糖類(ショ糖、乳糖、麦芽糖など)、
多糖類(でんぷん、グリコーゲンなど)の
三種類に分けられますが、
われわれが体内に摂取した糖質は
すべて単糖類のかたちで
吸収・代謝されるという性質があります。

実は、ここからが肝要なのですが、
花蜜の主成分は二糖類のショ糖ですから、
われわれがそれを直接摂取した場合には、
花蜜に含まれる糖質は体内で「単糖化」という工程を経て、
はじめて消化吸収されることになります。
ところが、ハチミツの場合は、
花蜜の成分である二糖類のショ糖が
ミツバチによって最初から
果糖とブドウ糖という作業を経ることなく
そのまま消化吸収することができる、
ということになるわけです。
つまり、きわめて効率の良い糖質だということですね。

ちなみに、糖質というのは、われわれが筋肉を動かしたり、
体温を保持したりするためのエネルギー源ですから、
クルマに置き換えればガソリンのようなものです。
すると、ハチミツというガソリンは、
体内で単糖化という手間をかけずに
一発で点火するガソリンですから、
ガソリンの中で最も純度の高いガソリン、
もしくはハイオクのガソリンと言っていいかもしれません。

ハチミツが優れた健康食品として重用されてきたのは、
こうした理由によるのですが、いつかも記したように、
健康や栄養ということを本気で考えるなら、
それぞれの食品の栄養組成の数字でなく、
効した実効的な消化吸収ということを
もっと重視することですナ。


ハチミツを集める養蜂箱


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