蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第57回 (旧暦2月27日)
アケビの利用法

仙人の家には冷蔵庫のほかに冷凍庫が2台あって、
その中にはいろいろな食材薬材が詰め込んであります。
一昨日、久し振りに1台の冷凍庫の中身を整理してみると、
昨年の秋にほうり込んでいたアケビの実が
10個ばかり出てきました。
このアケビの実(果皮)は、解凍してから輪切りにし、
素揚げして塩をパラリと振ると、
ちょうどフライドポテトのような食感で
ビールのつまみによく合いますから、
ことのついでにアケビの新芽を摘んできてゴマ和えを作り、
この二品を肴にビールを傾けながら、
今、この原稿を書いているところです。

アケビには、里から低山にかけて見られる小葉が
5枚のふつうのアケビと、
山地に生える小葉が3枚のミツバアケビとがありますが、
食用・薬用とも両者を区別することなく利用できますから、
手に入れやすいほうを利用すればヨロシイ。
食用には新芽と果実を用いるの対し、
薬用にするのは木部(つる茎)のほうで、
4〜5月ころ(花期)に採取して1〜2cmの長さに細断し、
天日で干したものを「木通(もくつう)」と呼びます。

アケビの茎には、ヘデラゲニン、オレアノール酸などの
トリテルペンやカリウム塩が多量に含まれており、
漢方では主として腎臓炎、尿道炎、膀胱炎などによるむくみや
消炎性利尿剤、通経薬として用いられますが、
解熱や難聴に木通の煎じ液をお茶代わりに飲用したり、
でき物を煎液で洗浄するなどの民間療法もあります。

また、植物に含まれる薬理成分を抽出するには、
煎じるという方法(熱水抽出)以外に、
アルコールや糖の浸透圧で抽出する方法がありますから、
仙人は、腎臓系の持病がある人には、
この木通をホワイトリカーに漬けて
「アケビ酒」を作ることをすすめています。
それは、この方法だと、熟成までに3〜4ヶ月かかりますが、
一旦作っておけば
毎回「煎じる」という手間を掛けずに利用できるからです。

作り方はカンタン。
ホワイトリカー1.8リットルに対し
木通0.9リットルを氷砂糖100グラムを加えて漬け込み、
3〜4ヶ月冷暗所に置いて熟成を待ちます。


アケビの花

アケビの芽

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