税理士・濱田善行さんの
「こんなんありだ税っ!」

第17回
同じ税金でも結構違うもんです

「知らないことはしょうがない。
ただ、知らないままでいることはよくない!」
と、いうことで、
先ずは、自分の給料明細を見てみましょう。

給料から天引きされている税金には、
所得税と住民税とがあります。
所得税は国に納めるものですし、
住民税は県及び市区町村に納めるものです。
両方共に、源泉徴収制度の下、
会社が本人に代わって毎月納めてくれています。

ただ、この両者には根本的な違いがありまして、
それは、
所得税が今年の「仮の税額」であるのに対し、
住民税が去年の「確定の税額」であるということです。

毎月の所得税は、
会社からもらう給料と、
健康保険や厚生年金などの社会保険料、
そしてその人が養っている家族の人数とが
勘案されて決まります。
ただ、ここで天引きされるのは、
あくまで仮の税額です。
なぜなら会社は、
決められた範囲で個人の事情を考慮して、
年末調整で、税額を確定計算することになっているからです。
つまり、年末にならないと今年の税額が確定しないため、
毎月、仮の税額を納めることになっているのです。

一方、住民税は、
年末調整、もしくは個人の確定申告の計算に基づいて、
市区町村が決定してくる年税額を、
翌年に12ヶ月に分割して納めることになっています。
つまり、天引きされている住民税は、
去年の確定税額の分割払い分なのです。
ですから、少なくともその年中は、
原則的に、毎月同額が天引きされることになります。

違いがわかったとしても、給料が増えるわけじゃなし…

また明日。


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