第34回
カネカネカネのケーエイ学7: 税金を払おう。

税金というのは、否応なく取られるもの。
払う人の意思とは関係なく税額が決まるものだと、思っていた。
ところが会社をはじめて見ると、けっこう経営者の「意思」が
関与するものだとわかった。

もちろん否応なく払わされる部分はかなりある。
地方税と消費税については、ほとんど意思に関わりなく
税額が決まる。
ところが法人税は、利益について課税されるので、
収支トントンか赤字にしていれば、法人税を免れることができる。
最低限の考え方をすれば、ドタン場でコントロールできなかった
利益についてだけ、税金を払うというやり方もできる。

数年前、創業以来はじめて、わが社にも税務署の調査が入った。
こんな小さな会社にまで調査にくるというのは、
税務署もよっぽど税収に苦しんでいるのか、とか思いながら、
ようやく社会の一員として認められたようで、
なんとなくうれしかった。

「ぼくんとこにも、とうとう税務署が来ましてねえ・・」
と、つい自慢しないではいられない気分だ。
その年は利益も上げて、
資本金の半分くらい法人税を払っただろうか。
調査員が、帳簿を見ながら質問する。
「社長さんの給料ですけど・・・どうしてこんなに低いんですか?」
「ええっ?!」

それは、赤字を避けたかったし、
安定した売上げの見通しが立たなかったから、
会社を維持するために、
おっかなくって自分の給料を上げることが
できなかっただけだ・・・
でも、こんな給料水準に抑えて、
利益を出して税金を払っていることが、
真っ正直というか、バカというか、つまり、
そういうことだろうか?

けっきょく税務調査の結果は「是認」ということで、
申告漏れも追加払いもなしで決着。
調査員も、あまりキツイことを言う気になれなかったのかも
知れない。
まあ、なんとなく釈然としないものは残った・・・

腹立ちまぎれに、逆にぼくは言いたい。
資源のいっぱいある大会社を赤字にして、
法人税を一銭も払わないで、
何千万も報酬をもらっている経営者の方が、
おかしいんじゃないか?


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