第35回
カネカネカネのケーエイ学8: いい税理士をもとう。

SOHOとか小さな会社では、
経理担当は自分自身か奥さんのどっちかだが、
わが社の場合、どちらもあまり適当でなかった。
奥さんは、どちらかというとゲージツ家で、
そういう部分はヌケている。
ぼくは、金についてはどうにも気が小さい。金の計算をしていると、
時間ばかり経ってしまって、100円合わないだけで
半日つぶしてしまいかねない。

会社に経理はつきものだ。
ぼくは銀行員だったから、もちろん基本はわかるが、
やっぱり苦手だし、細かなところでわからない部分がある。
わからないのを放っておくと、片づかない部屋のようなもので、
やがてどうにもならなくなる。
そんなときに、友人がとてもいい税理士の先生を紹介してくれた。

この先生、素朴ながら人柄もチャーミング。
わが社の経理事務の多くを代わりにやってくれ、
そのつど会社の状態を教えてくれる。
疑問がある場合も、いつも適切に答えてくれる。
この先生のおかげで、事務に気を奪われずに仕事をすることが
できるようになった。
便利なだけでなく、専門家として知識も態度もすぐれている。
税務調査の時などは、調査員に対してまったく迎合することなく、
毅然としてツボを押さえた対応をしてくれ、とてもカッコよかった。

おまけにちっとも欲がない、というかカタイ。
お中元お歳暮を贈れば、
かならず同等以上のものを返してくるし、パーティーに招待すれば、
費用以上の寸志を包んでくれる。

ひょっとしたら、ぼくのような会社を育ててくれるような
気持ちもあるのか、
この先生が請求してくる金額は、
とてもその恩恵に見合わないものだ。
彼女の仕事は、払っている金額の2倍も3倍も価値がある。
もう少し儲かったら、報酬を上げてもらいたいし、
そう言える日を楽しみにしている。

よい会計士をもつことがとても大切だと、本には書いてある。
自分は残念ながら会計士と税理士の違いをよく知らないが、
ともかく金に関する事務処理について、
誠実な専門家のバックアップを得られれば、
こんなに心強いことはない。
田中和子先生、いつもありがとう。


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