第17回
東急ハンズの成功に学ぶ

スキミング層、イノベーター層の20%の顧客を刺激すると
大きなマーケットを創造出来るのはカフェだけではありません。
あの東急ハンズも20%の顧客を対象にして成功したのです。

東急ハンズの一号店は渋谷にありますが、
当時のこの場所は何の商売をしてもうまくいかない
東急のお荷物と云われた物件でした。
海外のコンサルタント会社に
マーケットリサーチをしてもらっても、
すぐ土地建物を売却した方が良いと報告され
当時の五島社長を怒らせました。
この時ある部長が東急ハンズの導入を提案したのです。
五島社長又々怒りました。
東急デパートの家庭用品の売り場の売上で
あの物件が専門店として成り立つ訳がないと云うのです。

部長はこう答えました。
首都圏3700万人の人がいる。
この20%の人達が一年に一回来店するだけで720万人、
一日に2万人の人が入る店が出来る、その20%とは
「図画、工作、体育、音楽、家庭科、理科、社会」の科目で
通信簿で5と4をとる人達だ。
この人達が欲しい物をそろえて満足する店を創る。

素晴らしいマーケット理論です。
国語、英語、数学の主要3科目が出来る人は
上記の7科目でも一つはかならず5と4をとるのです。
五島社長、笑って納得、しかし次の言葉を忘れません。
「一体そうした商品がそろうのか」
部長、「一年まってくれれば出来ます」
こうして東急ハンズは見事成功したのです。
見事な品揃えとコンサルティングセールスのレベルの高さは、
このセゾンのロフトの展開を10年遅らせたのです。


『カフェに商品がないのはウソ、
一芸に秀でた商品の開発があれば全国に拡がる』


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