第55回
ストアコンセプトづくり その3
130日前 劇的な出会い

挨拶をした村田さんは50才、
現在ドイツのパンの輸入をメインに
ヨーロッパのコーヒーマシンのメンテナンス事業をしています。
コーヒーマシンのメンテナンスの研修に行った時、
ドイツNo1のコンベクションオーブンの社長さんに会い、
現在輸入しているドイツのパンメーカー
「クレンメ社」の社長と会う事ができました。
その時、村田さんはびっくりしました。
何とドイツのパンの半分以上が、
「ホイロ後冷凍生地」だと云うのです。

ホイロ後冷凍生地とは、粉と水やミルク、
塩等を混ぜてパンの生地を作り、
これを成型し、発酵させて冷凍したものを云います。
この状態ならそのままオーブンに入れれば
完成したパンになります。
パンの生地を練る設備や場所もいりません。
又、発酵に必要な設備も場所もいりません。
何よりもその為の人手がいりません。
売る側は冷凍庫とオーブンがあれば
ドイツ一級のバターを使った
60gもある大きいクロワッサンを
だれでも今日から作る事が出来るのです。

村田さんの話しはさらに続きます。
提携してたクレンメ社はO.E.M
(オーダーエントリーマニファクチャー・仕様書発注による
製造を受けるシステム)の会社で
何とパンのレシピ(仕様書)だけで1300も持っているのです。
第1〜第3工場まであり、
クロワッサン専用工場は
1日30万個のクロワッサンの生地を
自動で作っていると云うのです。

松井さんは村田さんの目を見てこう云いました。
「村田さん、私をその工場につれて行って下さい。
私が計画しているカフェにこのパンが必要なのです。」
「いいですよ。一緒に行きましょう。」
この一言で松井さんのカフェが実質的にスタートします。
オープンまであと130日前の事です。


『人は/と\で作られる
どちらか人の接点を安易にはずせば共倒れになる』


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