第75回
商品コンセプトはこう創る その5
95日前 コーヒーのトレンド(5)
「グルメ、スペシャルティー」

夜も深くなってきました。
再会を約束して松井さんがそろそろ帰る頃、
岩崎さんがコーヒーを持って行きなさいと
手渡した時の事です。

「松井さんこのコーヒーをぜひ、
家族の方と、一緒に道を進む斎藤さんに
飲ましてあげて下さい。
コーヒーはブラジルです。
私の店のブラジルも天日乾燥して
ハンドピックした良い商品ですが、
このコーヒーはまさに目からウロコのコーヒーでした。

「カップオブエクセレンス」と云う
国際的なオークションで
日本のメーカーが落札した60俵(1俵60kg)の一つです。
3000万俵も生産するブラジルコーヒーの内で
わずか15の種類を国内で選別する審査を行い、
それを世界で15人のコーヒースペシャリスト
(日本では丸紅にいて現・林コーヒー研究所の
林秀豪さんが選ばれています)
がコップテストをして1位〜15位まで格付けをします。
これをスペシャルティーコーヒーとして扱い、
協会に登録している商社やコーヒーロースターが
インターネットで落札していくのです。
日本は格付けされた半分近くを落札しました。
1位はノルウェーのコーヒーロースターが
2位より10倍近い価格で買っています。

スターバックスを始めとする
全米のスペシャルティーコーヒーを
主力商品にしているコーヒーロースターは
ブラジルコーヒーの品質管理に不満がありました。
大きさや狭雑物(石、ゴミの混入)の比率で
品質を格付けする基準では
良い商品が作れないと思っていたからです。

ブラジルもようやく重い腰を上げました。
結果は素晴らしいコーヒーになりました。
シティローストと云って深く焙煎しても
苦味の味にはなりません。
バランスも良くなりました。
松井さん、このコーヒーでブレンドコーヒーを創って下さい。
そうそう、スペシャリティーではないですよ。
スペシャルティーですよ」


『オンリーワン商品はかならずある
この商品との出会いがエネルギーになる』


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