第76回
商品コンセプトはこう創る その6
95日前 最強ブレンドコーヒーの誕生

ベルニーニの岩崎さんからもらったオークションコーヒー
「カップオブエクセレンス」のブラジルコーヒーを持って、
松井さんは芝さんに報告をしました。
芝さんはニッコリ笑って
「松井さん、このブラジルコーヒーは本当に素晴らしい。
このカップオブエクセレンスコーヒーを用いて
独自のブレンドコーヒーを創って
評判になっている店があるのを知っていますか。
松井さんが知っている店ですよ」

松井さんは答えました。
「えっ、それは、パイロットさんの直営の
ペンステーションのコーヒーですか」

芝さんは教えてくれました。
「そうなんです。あのペンステーションのコーヒーは
東京にあるトーアコーヒーと云う
コーヒーロースターが落札した、
ブラジル、ケニア、グアテマラの
カップオブエクセレンスだけを用いた
全くのオリジナルブレンドなのです。
量も少なく、毎年同じコーヒーが
カップオブエクセレンスに選ばれるとは限りません。
だからペンステーションブレンド2003と呼んでいるのです」

芝さんのチームが
ペンステーションの開店のお手伝いを依頼された時、
市場調査をして見ると、
300m四方に有力なセルフサービスカフェのチェーンが
8店もひしめく大激戦区と分りました。
大企業の直営と云えども
安易な考え方では負けてしまいます。
ねらいは一つでした。

それは優れた生豆を持つコーヒーメーカーを探す事。
多くのコーヒーメーカーから選んだのは
最も多くのコーヒーメーカーから選んだ
スペシャルティーコーヒーを持つ
トーアコーヒーだったのです。
ただ芝さんのチームは
本来ストレートコーヒー(単品コーヒー)で
充分魅力のあるものを
大胆な発想でブレンドしたのです。

本来コーヒーのブレンドは主役の生豆を決め、
脇役の生豆で構成するのが常識です。
全て主役のブレンドは相互が主張して
バランスが良くないと云われていましたが、
結果は大成功。
最強のブレンドコーヒーになりました。


『主役を支える脇役、
その脇役が時に主役になる事が出来る
その企業は伸びる』


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