第9回
お金を借りるときには契約書を交わします。

お金を借りるときの、前提の話をいろいろしてきましたが、
さて、いよいよ契約です。

お金を借りる契約は、法律上、金銭消費貸借契約と言います。
金銭=お金を、消費する=使ってしまうことを前提として、
貸借=貸し借りする、契約だからです。

読みづらいかもしれないので、続けて書くと、
お金を、借りた方が使ってしまうことを前提として、
一方が貸して、他方が借りる契約ということです。

だから、江戸時代の大判小判を、展示するために貸すのは、
お金として使ってしまうために貸すわけではないので
金銭消費貸借契約ではないわけです。
こんなことは、あまり事業をする上では関係ないのですが。

契約は、よく言われていますように、
契約書を交わさない口約束も契約として有効です。
日本では、ビジネスでも口約束が多く、
何千万円もの契約でも、契約書がないことがよくあります。

では、なぜ口約束でなく、契約書を交わす必要があるのでしょうか?

みなさんお分かりのように、
どういう約束をしたか後で、わかるようにするためです。
つまり、トラブルが生じた場合の証拠とするためなのです。

逆に、契約書がなく口約束だけだったらどうなるか考えていただければ、
契約書の必要性がわかると思います。

みなさんは、自分が口約束でも、約束をきちんと覚えていて、
約束は守らなければならないと思っているし、
約束は守ってきたという立派な方ばかりだから、
想像がつかないかもしれません。
また、口約束でも、
今まで付き合ってきた人は、約束を守ってくれたので、
契約書がないとどうなるかピンとこないかもしれません。
日本人は狭い社会で、
特定の人を相手にお互いの信頼関係を重視して取引していたので、
何千万円もの契約を口約束で行ってきたということだと思います。

それはそれでよい社会なのですが、
もし契約を交わさなかったらどうなるか知っておいて損はないので、
というよりどうなるか知っておく必要がありますので、
次回にこれを説明します。


←前回記事へ

2002年9月9日(月)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ