第18回
貸金業者が年29.2%を超える利息でお金を貸すことは犯罪です。

利息制限法でお金を借りる場合の
利息の上限が決まっていることを説明しました。
ただし、利息制限法を超えた利息を契約で定めても、
無効となるだけで、罰則はないことも説明しました。

しかし、出資法という法律で、
貸金業者が年29.2%を超える利息でお金を貸す契約を結んだ場合には、
3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科されることとなります。

要するに、年29.2%を超える利息の約束をすることは、
殺人や窃盗と同じように犯罪なのです。

お金を貸すという行為は、民事の問題ですが、
利息が年29.2%を超えると、もはや民事の問題ではなくなり、
刑事の問題となります。だから、警察が取り締まることになるのです。

最近まで、刑罰を科されるのは、年40.004%を超える場合でしたが、
低金利時代にもかかわらず、年40%もの高利で貸して、
しかも取立てする際に、
「腎臓を売って返済しろ」などという貸し金業者があったために、
年29.2%まで下げられたのです。

上場している消費者金融などは、
利息制限法違反の利息でお金を貸していますが、
さすがに、出資法には違反していません。

利息については、年29.2%を超えて利息を取ると罰則が科される出資法、
一定額を超えた利息(100万円以上の場合年15%)は無効とする利息制限法、
当事者が利息を決めなかった場合は、
5%あるいは6%とする民法、商法の適用があるのです。

では、また来週。

■ 今週の宿題
「六法」って、よく聞くと思います。
「六法」は本屋や図書館にも置いてあるけど、
「六法」には6つだけじゃなく、たくさんの法律が載ってます。
「六法」という場合の6つの法律は何法のことを言うのでしょうか?


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2002年9月20日(金)

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