第20回
闇金融は取り締まりが甘いため栄えています。

年率29.2%を超える利息を約束すると、出資法という法律に違反し、
3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられる犯罪だと
説明しました。

ところが、10日で1割以上の利息を取るいわゆる闇金融が増えています。
以前は、10日で1割であったころから「トイチ」と呼んでいましたが、
今は10日で2〜3割、1週間で2〜3割の利息を取る業者が多いです。

ちなみに10日で1割は年365%の利息ですから、
これでも出資法に禁止されている利息の10倍の利息を取っているわけです。

テレビのニュースなどで何度も取り上げられているにもかかわらず、
すごい増えています。最近、以前借金の相談で私のところに来る人には、
いわゆる闇金融から借りている人などほとんどいませんでしたが、
最近は相談者の半数以上は、闇金融からの借り入れがあります。

この闇金融が増えている理由は、
他の借金の返済をするために後先のことを考えずに
借金をする人が増えていることも原因なのですが、
いわゆる闇金融のやっていることは犯罪ですから、
警察の取り締まりが甘いということに尽きると思います。

闇金融が貸し金業の登録をせずに
貸し金業を営んでいること自体も犯罪です(貸し金業法11条違反)。

何度も申し上げているように、
年29.2%を超える利息を取るのも犯罪です(出資法5条2項違反)。

深夜に取り立て行為をすること、取立てをするため
職場に押しかけることなども犯罪です(貸し金業法21条違反)。

警察がこれらの認識がなく、
借主が厳しい取立てにあって相談に行っても
借りたお金を返さない方が悪いと借主に説教してしまうなんてことが
実際あります。

そんなところから借りて返さない方も悪い面はありますが、
鍵をかけ忘れて預金通帳を盗まれた場合、
鍵をかけ忘れた方が悪いからと言って
盗んだ方を無罪放免にしたりはしないでしょう。

本当に被害は増えています。
警察の関係者がこれを見てらっしゃったら、
全警察官に徹底するのは難しいとは思いますので、
闇金融特別の相談窓口を作って取締りを強化してもらいたいものです。

そのためには、全国の弁護士会も協力は惜しまないと思います。
当然要請があれば私も協力します。


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2002年9月24日(火)

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