第33回
保証でなく、根保証が商工ローンに悪用されました。

昨日、抵当権と根抵当権は、一字違っても大きく違うと説明しました。
抵当権だけでなく、保証にも、保証と根保証があるのです。内容は、同じです。
保証人というのは、借主が払えなくなった場合に
代わりに借金を返さなければならない人のことです。
昨日の例で、QさんがA銀行から3000万円借りて、
Pさんがその保証人になりました。
10年後、残金1000万円になったところで、
Qさんがお手上げとなりました。
保証人Pさんは1000万円を支払わなければならなくなります。
これが普通の保証です。
QさんがPさんが保証した後にA銀行からさらに600万円借りていたとしても
保証の内容となってはいませんから、
Pさんは1000万円だけ返済すればよいのです。

ところが、根保証だとどうなるかと言うと、根抵当権で説明したとおり、
根保証も、最初に設定した枠の範囲であれば、
後からの借金についても返済しなければならない保証なのです。
したがって、Pさんがしたのが根保証だとすると、
PさんはQさんが後から借りた600万円も支払う義務が出てきてしまうのです。
この根保証は普通の人にはあまりなじみがない制度だったため、
商工ローンの一部の業者が普通の保証と思わせて
根保証契約を結ばせるということをしました。
その手口については、また来週。

今週の宿題
新聞やテレビで、刑事事件の報道がなされるときに
「被告」や「容疑者」という言葉が使われます。
これはどういう意味かわかりますか?


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2002年10月11日(金)

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