第38回
親子、夫婦であっても子供や夫の借金の返済義務はありません。

昨日、社長であっても、保証をしなければ、
会社の借金を返済する義務はないという説明をしました。
取締役や監査役といった役員であっても同じです。
この会社と役員は法律上の返済義務は別だということは、
親子、夫婦でも同じです。

これもまた、よく会社の経営者の方から質問されることですが、
私は借金が多く、万が一のことを考えて離婚しておいた方が
よいのでしょうか?という質問を受けます。
法律上、夫婦は別ですから、夫の借金については、
妻と言えども返済義務はないのです。
夫が借金の返済をできないからといって、貸主が妻に対して
「夫婦なんだから、借金を返済しろ。」などという
請求はできないのです。
だから、借金の対策のため離婚してもあまり意味はありませんし、
その必要もありません。
まあ、夫の借金に嫌気が差して、
奥さんの方が離婚したいという話ならわかりますが。。。

夫婦は別だという話しと同様に、親子も法律上は別です。
だから、子供の借金を親が支払う必要もありませんし、
親の借金を子供が支払う必要はありません。
子供が借金をしてしまった場合に、
親が支払うということもよくありますが、これも、
子供のしてしまったことだから親が何とかしてあげようとする
親心に基づくものであって、
法律上は義務のないことをしているだけです。
夫婦、親子であっても、法律上は別ですから、保証契約を結ばなければ、
夫や子供の借金の返済義務はありません。

話が変わりますが、子供の借金を親が支払ってあげる場合、
弁護士や裁判所を入れず、ただ親が全額支払ってあげてしまうと、
子供はまた同じように借金をしてしまう傾向にあります。
ご注意ください。

今週の宿題
裁判には民事事件と刑事事件があります。
例えば、「金1000万円を支払え」という
民事事件の判決に従わない場合には
どのような罰則があると思いますか?


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2002年10月18日(金)

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