第39回
判決に違反して支払わなかったらといって
懲役や罰金を科せられるわけではありません。

先週末の宿題は、民事裁判に従わなかったら、
どんな罰則があるかという問題でした。
答えは、「罰則はありません。」です。

日本の法律では、民事裁判で敗訴して
「被告は原告に金1000万円を支払え」との判決が出て、
それに従わなかったとしても、懲役刑に科せられるとか、
罰金刑が科せられるということはないのです。

これは、民事の「お金を支払え」という紛争は、
判決で負けた方の財産を
差押さえることによって実現すれば十分で、
民事の紛争を刑罰を科してまで実現する必要はない
という考え方に基づくのだと思います。

現実の社会では、この考え方を悪用していると思われる人もいて、
判決に従わない奴には、
刑罰を科すべきだと考えるときもあります。
しかし、逆に、いろいろな事情があるのだけれど、
法律によるとお金を支払わなければならないケースもあります。
また、判決に従わないと刑罰が科せられるとすると、
お金のない人はすべて刑務所行きになってしまいます。

そういうことを考えると、判決に従わなくても罰則は
科せられないというのは仕方がないとも思います。
弁護士でもおかしいと思っているくらいですから、
皆さんは、もっとおかしいと思っていると思います。
しかし、こればっかりは法律が変わらないことには、
どうにもならない問題です。
だから、皆さんには判決を取った場合にできることは
強制執行=相手の財産の差押えだけだということを
頭において行動していただきたいと考えています。
そのためのヒントはこれからも連載していきます。


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2002年10月21日(月)

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