第49回
倒産しても営業を続けることができます。

さて、先週の宿題は 
会社は「倒産」しても営業を継続することができる。
○か?×か?という問題でした。

答えは、です。

前回、説明したとおり、借金の整理するには、
清算型と再建型があります。
清算型は、事業を停止して、財産を売却し、
売却代金を債権者への支払いに当てる方法を取ります。
皆さんが聞いたことのある「破産」が
清算型手続きの代表的なものです。

再建型は、債権者への支払額をカットして、事業を継続して、
その利益の中から支払いをしていく方法を取ります。
デパートのそごうが取った「民事再生」や
スーパーの長崎屋が取った「会社更生」の手続きが
その代表的なものです。

清算型、再建型いずれの手段も倒産手続きと呼ばれています。
そこで、再建型の手続きである「会社更生」の申立てをしても、
「民事再生」の申立てをしても、会社は倒産したことになります。
でも、再建型の手続きですから、営業は継続することができます。
だから、会社は「倒産」しても営業を
継続することができるのです。
したがって、宿題の答えは○が正解です。
わかりましたか?

今は、上場している牛丼の吉野屋も、
一度「会社更生」手続きを取っており、倒産した会社なのです。
皆さん、ご存知でしたか?

ただ、「倒産した」と報道されると、
普通の人は営業をやめたと思ってしまいます。
(僕も弁護士になる前はそう思ってました。)
せっかく、会社を再建しようとしているのに
「倒産」したと報道されてしまうと、
お客が来なくなってしまい再建は難しくなってしまいます。
これから、不良債権処理で、「民事再生」や
「会社更生」で再起を図る会社は増えるはずです。
マスコミ関係者の方には、「民事再生」や
「会社更生」の申立をした場合には「倒産しました」と
報道しないようにして欲しいものです。お願いします。


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2002年11月4日(月)

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