第55回
破産は免責を受けるためにします。

破産するということをよく聞くと思います。
何と今年の破産の件数はこのまま行くと24万件で、
破産申立件数が20万件を超えるのも初めてだそうです。
1年間で24万件ということは、
1ヶ月で2万件、1日666件です。
すごい数ですね。

破産は、会社の場合、会社の清算のために行います。
会社にある財産を売却して換金して債権者に分配します。
分配し終わると、会社の財産は全くなくなってしまいますから、
それで会社は消滅することになります。
債権者の債権が残っていても、それで終わりです。

人の破産の場合も財産と借金の清算のために行うのは同じです。
でも、人の場合、財産が無くなったからといって
消滅させるわけには行きません。
そこで、免責という制度があります。
免責は、債権者への支払を免除する制度です。
この免責を受けなければ、
いつまでも債権者に返済を請求する権利が残ってしまいますから、
破産しても意味がないわけです。
だから、会社でなくて人が破産する場合は、
この免責を受けるために破産の手続きを取るのです。

ちなみに、破産しても、免責を受けられない人は、
ギャンブルが原因で借金をした人、
収入に見合わない買い物が原因で借金をした人、
株式投資目的で借金をした人などです。
財産を隠したり、一部の債権者には、
特別返済している人も免責を受けられません。
ただ、法律には例外があって、免責されない理由があっても、
事情によっては免責される場合があります。

破産は免責を受けるためにするのであって、
免責を受けられなければ意味がないということを覚えてください。
だから、当たり前の話ですが、
ギャンブル、買い物、株式投資などは、
自分の収入で払える範囲でやってください。
そうでないと、いざというとき免責されませんよ。


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2002年11月12日(火)

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