第76回
中小企業も債務の株式化をすれば、お金を借りやすくなります。

ダイエーなどの大企業は
銀行からの借入金の返済を免除してもらう債権放棄の他に、
銀行からの借入を株式化してもらうことによって
会社の財務内容を改善しています。
借入金を株式化するとどうして財務内容がよくなるかと言うと、
借入金は返済する必要がありますが
株式になればお金を返済する必要がなくなるからです。

銀行が、どうして返してもらえる貸付金を
株式にすることに応じるかというと、
どうせこのまま貸付金にしておいても
なかなか回収できないことがわかっているからです。
回収するのが難しいとわかっているけれども、
貸付金をそう簡単に放棄するわけにはいきません。
債権放棄は銀行の損となります。

貸付金が株式になれば全て損とはなりません。
かえって株式化後に会社の経営が安定すれば株式が値上がりし、
値上がりした株式を売却すれば
貸付金額を回収できるようになるかもしれないのです。
そういう理由で、
銀行は債務(借入金)の株式化に応じているのです。
まあ、実際はそういう合理的な理由だけではないとは思います。

この債務の株式化は、
銀行が将来株式を売却することが前提となっていますから、
上場していないあるいは上場予定のない
中小企業への貸付金を株式に変えるなんて
応じてはくれません。

中小企業の債務の株式化は、
誰からの借入金について株式化をするか、
そのメリットは何かについては、また明日。


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2002年12月11日(水)

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