第77回
中小企業の債務の株式化は
経営者からの借入金を株式化します。

昨日、大企業が借入金を株式化する場合の話をしました。
さて、中小企業の話です。

中小企業の場合、誰からの借入金を株式化するかというと
会社の経営者からの借入金を株式化するのです。
中小企業ではお金が足りないときには
経営者からの借入金で賄っています。
会社の決算書のうち財産関係が記載されている
貸借対照表(B/S)を見れば
借入金がたくさん計上されています。

以前は、銀行は担保があれば
経営者からの借入金がたくさんあっても
お金を貸してくれました。
ところが、最近は貸付金が不良債権かどうか
査定する必要があって
決算書上借入金が多い会社に貸付をしていると
不良債権ということになってしまうので、
そのような会社にはお金を貸してくれません。
そこで、経営者からの借入金を株式化して
会社の財務内容を良くするのです。

借入金(貸し手からは貸付金)の株式化の手続きは、
具体的には現物出資による新株発行という方法を取ります。
お金でなく物(ここでは貸付金)を会社に入れて、
株式を発行してもらうのです。
株式の説明については「会社をつくる」でまた説明する予定です。

この現物出資の手続きについては、
以前は裁判所に検査役という人を選んでもらって
検査役に物(ここでは貸付金)の評価が
正しいかどうか調査してもらうことが必要でした。
そこで、検査役に支払う報酬も必要だし、
調査に時間もかかるのであまり使われていませんでした。
ところが、最近の商法改正で、平成15年4月からは、
弁護士、税理士、会計士などの証明書があれば
検査役の調査は不要になりました。
だから4月以降は借入金の株式化がしやすくなります。

経営者は貸付金を株式化してしまうと損のように思えます。
しかし、そうはなりません。
これまた最近商法が改正されて、
会社が自分の会社の株式を
買い取ることができるようになりました。
そこで、会社の経営が安定して利益が出るようになれば、
経営者がお金が必要になったときに
会社が経営者の持つ株式を買うことによって
会社から経営者にお金を渡すことができるのです。

中小企業も債務の株式化で
財務内容がよくなり、
お金が借り易くなります。
覚えておいてください。


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2002年12月12日(木)

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