第126回
賃料減額訴訟の決め手は鑑定の結果です。

賃料減額の訴訟は、
借主と貸主と双方自分の事情を主張しますが、
最終的には、鑑定の結果で決まります。

賃料減額訴訟で決めなければならない賃料の減額額が
いくらが正しいのかということは、
法律の専門家であって、
不動産の賃料相場の専門家ではない裁判官にはわかりません。
そこで、訴訟ではどうするかと言うと、
以前ちょっと説明したとおり、裁判所から、
賃料など不動産の評価に関する専門家である
不動産鑑定士に鑑定を依頼します。
すると、不動産鑑定士が、実際に建物を見に行って、
近隣の相場を調査したりして、
この建物の賃料はいくらが妥当だという鑑定書を
裁判所に提出します。

裁判官は、自分で判断できないので
専門家である不動産鑑定士に鑑定を依頼したわけですから、
鑑定が明らかに間違っているという場合でない限り、
鑑定書に書かれた賃料に基づいて判決します。
だから、賃料減額の訴訟は、
鑑定に必要な時間がかかるくらいで、
普通の訴訟と比べると、そんなに時間はかかりません。
ただ、鑑定費用は当事者負担ですから、
その費用を用意する必要があります。

私がやった建物の賃料の鑑定では110万円かかりました。
この費用は、訴訟費用として
最終的には負けた方が負担することになります。
ただ、鑑定費用をかけてまで、
判決をもらった方が得かどうかはケースバイケースです。
そこで、鑑定費用を出すくらいなら、
この程度のところで、手を打とうかという考え方もあるわけで、
鑑定をする前に話し合いで解決する場合もあるわけです。


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2003年3月5日(水)

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