第127回
賃料減額を求めている最中は
元の賃料を支払っておいた方が安全です。

賃料の減額を請求する話をしています。
さて、借主が貸主に賃料減額の請求をした後は
借主は減額した後の賃料を支払った方がよいのでしょうか?
それとも減額する前の賃料を支払ったらよいのでしょうか?

第122回で説明したように、
賃料減額請求の効力は請求した日
(内容証明郵便が届いた日)から生じます。
そして、貸主が応じなくても、
法律上は、減額された金額が
貸主と借主との間での正式の賃料ということになります。
とすれば、賃料減額請求後は、
減額した賃料を支払うのが正しいように思われます。
しかし、賃料の減額額は、最終的には、
鑑定の結果を受けた判決で決まります。
この判決では、あなたが当初妥当だと考えた金額ほど
減額してくれるとは限りません。

例えば、賃料100万円のところ、
70万円まで減額することを求めたとしましょう。
ところが、判決では、
月85万円が妥当な賃料だとするかもしれないのです。

自分の請求が正しいと考えて、
最初から月70万円しか支払わないとすると、
月15万円ずつ賃料の未払いをしていることになります。
その場合、後で判決が確定したときに、
年1割の利息をつけて支払わなければならないし
(借地借家法32条)、
場合によっては契約違反を理由に
建物を明渡さなければならなくなるかもしれません。
だから、賃料の減額を求めた場合でも、
一応は、従来の金額を支払っておいて、
判決で賃料の減額が確定したときに
その差額分の返還を求める方が安全です。  
大体、賃料減額の手続きはこんな感じです。

実際、この賃料減額について書き始めた後に、
某デパートが賃料減額の調停を
申立てたという報道がなされました(でも連載は報道の後)。
ちなみに、このデパートとは名前はいっしょですが、
僕と全く関係はありません。
年間賃料120億円だそうです。
1割下がっても12億円です。
社員何人分の給料やら。


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2003年3月6日(木)

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