第133回
若い弁護士がいいとは限りません。

若い弁護士は、弁護士としての経験や
社会人としての経験が少ないんだから、
いいとは限らないのはわかっていると言われそうです。
確かに、弁護士としての経験不足、
社会人としての経験不足は若い弁護士の弱点です。
しかし、前回ベテラン弁護士の話のときに、説明したとおり、
法律や判例その他の資料を調べることによって、
弁護士としての経験不足はある程度補えます。

今日説明するのは、別の観点からです。
司法試験は難しい試験です。
だから、試験に受かった人は、
基本的な法律の知識考え方は十分理解しています。
そのための試験なのだからそんなの当たり前と言われそうです。
しかし、司法試験では、最近数年間にわたり、
受験回数が3回以内の受験生は
優遇して合格させるということがされてきました。
みなさん、知ってましたか?

受験回数が3回以内であれば、
4回以上の人と比べて点数が悪くても合格できるんです。
しかも、司法試験の合格者は現在1000名くらいで、
以前の倍になっています。
以前は、3回以内で司法試験に合格すれば
超優秀な頭脳の持ち主であったのですが、
今は、超優秀な人か、底上げ合格した人かなのです。
底上げ合格でも司法試験が難しいことに変わりがないので、
そんなに心配はないとは思います。

でも、3回以内優遇制度が始まってから、
僕の相手として当たった若い弁護士が、
司法試験に受かっていれば当然わかることについて
「ちょっとわかってんのかな?」という感じだったので、
「ひょっとしたら、底上げ合格?」と思ったわけです。
実際は、底上げ合格かどうかはわかりません。

司法試験合格者は、今後年間3000人に増えるそうです。
合格時点では、合格者500人のころよりも
法律上の知識や能力は落ちるでしょう。
だから、若い弁護士がいいとは限らないと言いたかったわけです。
ちなみに、この若い弁護士とは
25、6歳くらいの弁護士のことです。

いつも言うとおり、
すべての若い弁護士が悪いわけではありません。
今でも若くて超優秀な人もいますし、
勉強しながら仕事をすれば、
若くても十分仕事をすることができますから、
誤解のないようにしてください。


■今週の宿題■
弁護士以外の人が貸主の代わりに借金の取立てをして、
回収に成功したときに
貸主から謝礼をもらったら法律に違反する。
でしょうか?×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年3月14日(金)

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