第145回
貸主が破産しても出て行く必要はありません。

最近は建物の所有者が
破産したりすることも珍しくありません。
建物の所有者が破産したら借主は
どうなってしまうのでしょうか?
もうそこで営業ができないのでしょうか?

この点争いがありましたが、
ビルの所有者が破産しても借り続けることができます。
貸主が破産すると、
裁判所から破産者の財産を管理する
破産管財人が選ばれます。
破産すると破産者の一切の財産は
破産管財人が管理することになります。
だから、月々の賃料は破産管財人に支払うことになります。

破産管財人は、破産者の財産を売却してお金に変えて、
そのお金を債権者に分配する仕事をします。
そこで、借主の借りている建物も売却して
お金に変えようとします。
この場合、新しい買主は賃貸借契約を引き継ぎ、
敷金や保証金も引き継ぎます。

保証金の場合全額引き継ぐかどうかは事案によりますが、
未払賃料や原状回復費の担保として預かっている場合には
引き継がれる場合が多いと思います。
だから、貸主が破産しても基本的には安心です。
しかし、借りていた建物が競売にかけられた場合は
いろんなケースが考えられます。
それは明日説明します。


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2003年4月1日(火)

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