第146回
借りている建物が競売にかけられた場合は
引き続き使えるかどうかは借りた時期によります。

貸主が破産した場合でも、
破産管財人は賃借権が付いたまま建物を売却するので、
借主が引き続き使用できるという話を昨日しました。
ところが、貸主の建物が競売にかけられた場合には、
借主の建物を借りる権利である賃借権が
消滅してしまうこともあるので注意してください。
でも、競売にかけられたからといって
借主の賃借権が常に消滅するわけでもありません。

最近、貸主が破産したけれども営業を続けられるのか、
貸主の建物が競売にかけられたけれども
新しい所有者が決まったら出て行かなければならないのか
という相談が増えています。
それだけ、建物のオーナーが借金を支払えないケースが
増えているということだと思います。

さて、借りている建物が
競売にかけられた場合について説明します。
引き続き借りられるかどうかは、
建物を借りて使い始めた時期と
抵当権設定の時期のどちらが早いかによります。
借りた時期の方が抵当権設定の時期よりも早ければ
競売で誰が建物を落としたとしても
引き続きその建物で営業することができます。
即ち、借り続けることができるのです。

これに対し、抵当権設定よりも借りた時期が後の場合には、
建物賃貸借契約の期間が3年以内の場合のみ
その期間に限って営業を続けることができます。
期間が4年以上の契約の場合には保護されません。
また、契約期間が3年以内だったとしても、
差押後に期間が満了してしまえば
その後は営業を続けることはできません。

ただ、新しい所有者が賃料収入を得る目的で
買い受けたような場合には、
引き続き借りてもらっていた方が借主を探す手間が省けますから、
立ち退けとは言わないと思います。
だから、必ず営業ができなくなるわけではありません。
でも、抵当権設定よりも後に借りた場合は
建物が競売にかかった場合には
立ち退かなければならないリスクがあることを
覚えておいてください。


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2003年4月2日(水)

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