第147回
賃借権が引き継がれるときには敷金も引き継がれます。

昨日、借りている建物が競売にかけられた場合でも、
抵当権の設定よりも早く借りた場合には
引き続き営業することができるという説明をしました。
さて、今日は敷金・保証金がどうなるかについて説明します。

賃借権が引き継がれる場合、
即ち、抵当権設定よりも借りた方が早い場合は、
敷金や保証金も引き継がれます。
抵当権設定よりも遅くても3年以内の契約期間であれば
その範囲で賃借権は引き継がれるので、
敷金・保証金も引き継がれます。
ただし、引き継がれる額は、
賃料や原状回復費の担保として相当な額と言われています。

具体的には賃料の1年分から多くても2年分くらいです。
月50万円の賃料の場合に
保証金を2000万円も入れていたとしても
1000万円引き継がれるかどうかだと思います。

引き継がれる金額を誰が決めるかというと、
建物を競売にかけるときに裁判所が決めます。
競売の記録には、敷金として引き継ぐ額が記載されています。
敷金を引き継ぐケースでは、
裁判所は敷金の額を予め引いて建物を売りに出すのです。

具体的に、建物が1億円だったとして、
貸主が借主から1000万円の敷金を預かっていた場合には、
新しい所有者が1000万円の敷金を引き継ぐことを考慮して
9000万円で売りに出すわけです。
このことは、競売の記録に書いてあります。
そもそも、建物を競売で落札した人が
賃借権を引き継ぐかどうかについても、
競売の記録に書いてあります。

競売の記録には、賃借権を引き継ぎ、
敷金も引き継ぐと書いてあるにもかかわらず、
競売で建物を落とした人が
「それは前の所有者との関係で私は知らない。」
なんて言って、立退きを求めたり、
敷金を返還しなかったりする場合もあります。
気をつけてください。

自分の賃借権が引き継がれるのか、
敷金はいくら引き継がれたのか確認したい場合は
裁判所で競売の記録を閲覧するか
コピーするかして確認することができます。


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2003年4月3日(木)

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