第176回
発注書をファックスで送ってもらうのは有効な方法です。

代金をもらい損なわない、
代金でトラぶらないためには、
相手から発注書をもらいましょうという話をしました。

この発注書、相手に作ってもらってもいいのですが、
発注書をすぐにでももらいたいのは売主側ですから、
売主側が発注書の書式を持って行って
印鑑を押してもらうのが普通でしょう。
見積書と複写式にして、
2枚目の発注書に相手の印鑑を押してもらって、
発注書をもらっているところもあります。

ただ、これでは、担当者同士が実際に会って
見積書を渡して発注書を受け取るか、
郵送などでやり取りする必要があります。
きちんとした手続でするのはいいことですが、
時間がかかったり、面倒だったりします。
そこで、個々のケースにもよりますが、
今までずっと口約束でやっていたような場合には、
発注書をファックスでもらうというのも一つの方法です。

見積書をファックスで送って、
見積書に「上記条件で発注します」という文言を入れて
相手の印鑑を押してもらう欄を作り、
そこに印鑑を押してもらって、
ファックスで送ってもらうのです。
これなら手間や時間は余りかかりません。

ファックスは、送られてくると
送信時間や相手の名前などが記載されますから、
その日時に相手方が見積書の条件で、
発注したことの有力な証拠となります。
ファックスで送ってもらうというのは、
送信日時や相手方の名前などが書面上残るので、
証拠として残すにはかなり有効な方法となります。

一般的に「有効」というと、
効果的という意味ですが、
法律上「有効」というと、
効力がある、無効ではないという意味で使います。
ファックスで発注書をもらう方法が
「有効」という場合の「有効」は
もちろん効果的という意味です。


■今週の宿題 ■
よく契約で出てくる署名捺印は
自分で書いて印鑑を押すこと、
記名捺印は自分以外が書いて
印鑑を押すことである。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年5月22日(木)

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