第208回
公正証書があれば、裁判は不要です。

先週の宿題は 
代金の支払について
公正証書を作成してある場合には
裁判を起こす必要はない。
○でしょうか? ×でしょうか?
 
という問題でした。

みなさん、どう考えたでしょうか?
公正証書があっても代金を払わないのだから、
裁判を起こす必要があると考えた人はいませんか。
それはそれで、1つの理屈ではあります。
しかし、答えは、です。

代金の支払いについて
公正証書を作成してある場合には
裁判を起こす必要はありません。
裁判の目的は、1つは、
当事者双方の言い分を聞いて
どちらが正しいか決着することにあります。

裁判で、お金を支払えという判決が出ると、
その判決によって
支払わない方の財産を差し押さえができます。
そこで、もう1つの裁判の目的は、
強制執行をするための判決を取得することがあります。

お金の支払いについて公正証書を作成しておくと、
判決を取らなくても、強制執行が可能となります。
要するに、相手が支払わない場合は、
公正証書に基づいて、
相手の財産を差し押さえることができるのです。
ということは、わざわざ、裁判をやって、
判決を取る必要はなくなるのです。

お金の支払いについて、公正証書を作成しても、
強制執行ができない場合があります。
それは払わないときには強制執行をしてもよい
という強制執行認諾条項を入れていない場合です。

公正証書を作成する場合、
公正証書を作成してくれる公証人は
強制執行認諾条項をつけてくれると思いますが、
それがないと、強制執行するために
裁判をしなくてはならなくなり
公正証書にした意味が半減してしまいます。
注意してください。


■今週の宿題 ■
30万円以下の請求の裁判は、
第1回で終了させることができる。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年7月7日(月)

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