第213回
30万円以下の訴訟は1回で終了させることができます。

先週の宿題は、
30万円以下の請求の裁判は、
第1回で終了させることができる。
○でしょうか? ×でしょうか?

という問題でした。
答えは、です。

裁判には時間がかかると言われていますが、
30万円以下の請求に関する裁判で、
簡単なものは1回の審理で終了し、
次回判決ということになります。

裁判は、通常、お互いの言い分を
主張・反論、主張・反論と繰り返し、
証拠を提出し、証人尋問をして、
判決するということになります。
そこで、争いのある事件は
判決までに1年くらいかかってしまいます。
僕のホームページ
「解決までの手順」を参考にしてください。

ところが、30万円以下の事件では、
1回で、主張立証を終了し、
判決をしてしまうという
早期に解決できる手続きがあるのです。
これを少額訴訟と言います。

商売によっては、
1件あたりの売掛金額が小さく、
ある取引先への請求は
30万円以下だという場合も多いと思います。
こういう場合に少額訴訟を利用することは役に立ちます。

1回で終了し、裁判で勝つためには、
十分な証拠が必要です。
これが、以前説明した発注書や
契約書ということになります。

請求書や見積書では、
相手方がそれで承諾したことはない
と言われてしまった場合に有力な証拠とならず、
どうしてその請求書の金額や
見積もりの金額が合意した金額として正しいのかを
立証しなければなりません。

だから、1回で裁判を
終了するというわけには行きません。
早く解決するためにも、
発注書をもらうか契約書を交わすようにしましょう。


■今週の宿題 ■
Aが取引先Bに対し100万円の売掛金を持っています。
取引先Bがお金を持っていないけれども
Cに対して売掛金100万円を持っていた場合、
AはBに代わって、Cに対し
Bの100万円の売掛金請求権を行使することができる。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


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2003年7月14日(月)

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