第229回
こんな業種は短期の時効に気をつけましょう。

昨日、小売業、卸売業の代金債権は、
2年で時効にかかってしまうという説明をしました。

その他については、
物を作って製品を売る製造業の代金債権、
農業など生産者の代金債権、
学校や塾などの教育に関する授業料などの代金債権が
2年の時効にかかります
(民法173条)。

2年でも、短いのに
1年の時効にかかる債権もあります(民法174条)。
運送業の運送料は、1年で時効にかかってしまいます。
旅館やホテル業の代金債権、
飲食店の代金債権も1年の時効にかかります。

旅館やホテル、飲食店は、
取引相手が個人の場合
その場で代金を清算することが多いので
あまり時効の心配はありません。

しかし、相手が会社など大口の顧客の場合は、
後から請求書を出して
支払ってもらっていることも多いでしょうから、
時効に注意する必要があります。

みなさん、クラブやスナックその他飲み屋のツケは
1年で支払わなくてもよいなどと
聞いたことがあると思います。
読者から、飲み屋のツケの時効は?
という質問もありました。
これは、クラブやスナックのツケが飲食店の代金債権だから、
1年で時効にかかってしまうということによります。

しかし、クラブやスナックのツケを
1年で時効だからと言って、
時効を主張して支払わないとしたら、
もうそのお店には行けないでしょうし、
お店の女性にももてないと思いますがいかがでしょうか?

ちなみに、弁護士への支払いは、
2年で時効にかかります
(民法172条)。


■今週の宿題 ■
Aさんには、子供Xさん、Yさん、Zさんがいました。
ZさんがAさんの面倒を見ていたので、Zさんを受取人とする
1000万円の生命保険をかけていました。
Aさんの残した財産はこの生命保険のみで
他に財産はありませんでした。
Aさんが亡くなった場合Zさんは
この1000万円を3等分しなければならない。
でしょうか? ×でしょうか?

お答えをお待ちしております。


←前回記事へ

2003年8月5日(火)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ