第237回
普通の弁護士は実費として
ワープロタイプ代を請求することはありません。

昨日の宿題は
弁護士に依頼する場合、
弁護士費用の他に実費を別途支払う必要があるが、
この実費には、ワープロタイプ代も含まれる。
○でしょうか? ×でしょうか?

という問題でした。
みなさん、どう考えましたか?

弁護士の費用については、
弁護士会報酬規程というものがあります。
そこには、
「弁護士は、依頼者に対し、弁護士報酬とは別に、
収入印紙代、郵便切手代、謄写料(コピー代のこと)、
交通通信費、宿泊料、保証金、保管金、供託金、
その他委任事務処理に要する実費の負担を
求めることができる」と書かれています。

実費がどこまでか考えると難しいですが、
実費は、依頼者本人が行う場合でも必要となる
特別の費用なのではないかと考えます。

印紙代や郵便切手代は、
訴訟を起こす場合は、
弁護士に頼もうが自分でやろうが、
費用としてかかります。
だから実費ということになります。

しかし、弁護士に事件処理を依頼する場合、
文書の作成は当然入っていると思います。
文書を作成する場合、今の世の中
ワープロ(パソコン)で作成するのが普通でしょう。
したがって、特別な費用とは言えないと考えます。
だから、答えは×です。

依頼をする際に、
実費としてワープロ代も請求する
という説明を受けていたのであれば、
支払う必要もあるでしょうが、
そうでなければ支払う必要はないでしょう。

僕は、もちろん、
ワープロ代なんか請求しないし、
そんな費用を請求する弁護士は
かなり珍しいと思います。

この弁護士さんは、
費用がかかるならば手書きで結構ですと、
依頼者に言われたら手書きで書面を作成するのでしょうか?
よくわかりません。

弁護士費用の他に、
実費としては何がかかるのか、
依頼をする前に確認した方がよいかもしれません。

コピー代も普通の弁護士は実費として請求しません。
実費として請求する場合は、
裁判所に裁判記録のコピーを依頼しなければならない場合、
集団訴訟で大量にコピーする場合などです。

さて、創業大学
「大学では教えない。
 でも役に立つやさしい法律講座」
終了です。
最近になって、このサイトを見つけて、
これからが楽しみですとメールをくれた方、
申し訳ありません。

これまで、
創業、経営に役に立つ情報の提供ということで
連載してきました。
でも、みなさん、弁護士や訴訟についても関心が高いようです。
そこで、これらの話を中心とした
「訴えられたらどうする?−訴訟社会を生き抜くために」
を連載します。

ということで、僕の連載は終わりません。
みなさん、引き続きお付き合いください。
これから2週間は夏休みとさせていただきます。
新連載は、9月2日から火曜日、木曜日の週2回となります。


←前回記事へ

2003年8月15日(金)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ