弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第36回
弁護士と正月

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
 
さて、年末年始は、裁判はありませんので、
弁護士も休みです。
年末年始の2週間くらいは、裁判がありません。
休みの間は、事件のことを考えなくてすむので、
精神的に楽です。

毎日、紛争になるかならないか、
紛争にならないようにするにはどうするか、
紛争をどうしたらうまく解決するかと、
トラブルのことばかり、
次から次へと考えていくのは、
結構疲れます。

弁護士のアドバイスや行動が相談者、
依頼者に影響を与えてしまうので、
責任が重いということもあります。
まあ、それで報酬をいただく仕事なので、
仕方がありませんが。

休みがあるのはよいことですが、
訴訟は1ヶ月に1回ずつ
期日が入っていくにもかかわらず、
間の2週間が休みになるとすると、
どうしても休みの前と後に、
期日を入れなければなりませんから、
休み前と休み明けに担当している訴訟の期日が集中します。

それに、年末年始は弁護士も依頼者も休みですから、
お互いに訴訟の準備をしたり、
打ち合わせしたりする時間が取れません。
すると、打ち合わせや訴訟の準備も
休みの前後に集中するわけです。

休みがあると、その期間は、
弁護士に相談できないわけですから、
みなさん、抱えている問題については
休み明けに弁護士に相談しようと思います。
そこで、相談の申し込みも休み明けに多くなります。

というような事情から、
休み前と休み明けは、
弁護士は結構忙しいことが多いです。

正月早々は、裁判は行われませんが、
裁判所はやっています。
これは、警察が正月だからと言って
休みでないのと同じです。
逮捕が必要となれば、
裁判官が逮捕状を出す必要があるからです。

これに対応して、
逮捕された人を弁護する当番弁護士も、
正月も休まずやっています。
当番弁護士の方ご苦労様です。

そうは言っても、
正月の休みに働きたくないのは、
誰もいっしょなので、
正月早々のトラブルはあまり歓迎されません。
弁護士に知り合いがいても
連絡が取れない弁護士がほとんどでしょう。

お酒を飲んで、
車を運転したりしないよう気をつけてください。
今年1年がみなさんにとって
弁護士の世話にはならない
よい年でありますように(笑)。


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