弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第56回
訴訟に勝つための作戦集10−電話で裁判ができる

以前、裁判の当事者が
東京と大阪のように離れたところにいる場合、
裁判所をどこにするかが重要だという話をしました
第44回第45回)。
ところが、裁判所も、
裁判の効率化、迅速化を図るために、
電話による裁判を導入したのです。

第34回で説明したように、
民事裁判は、証人尋問を除くと、
主に書面のやり取りです。
裁判所では、事前に提出された書面や証拠について、
裁判官や相手が一言、二言意見を述べて、
次回までに誰がどういうことをするということを決め、
次回期日を決めるだけです。
時間にすると、5分から15分くらいです。

これをするためだけに、
弁護士は何時間もかけて遠方に出かけていき、
依頼者も弁護士に日当や交通費を支払うのです。

しかも、往復に1日かかるような場合、
弁護士は丸1日空いている日でないと、
裁判を入れられませんから、
次回の裁判期日も通常より先になることも多かったのです。

これらは、裁判所も、
さすがに不合理だと考えたのか、
電話による裁判が可能となったのです。
弁護士にとっても、
電話による裁判はすごく便利で、
原則的に、全て電話による裁判にしてもらいたいくらいです。

しかし、裁判官や相手が事件についてどう考えているか、
裁判官や相手がどういう人物かを知るには、
実際に会った方がよいので、
全て電話でよいというわけには行きません。

また、電話で裁判の全てができるわけではなく、
証人尋問や和解交渉は裁判所に赴いて行う必要があります。
それに、離婚や遺産分割事件では、
電話による裁判はできません。

電話による裁判は一長一短がありますが、
これにより、依頼者にとっては、
遠方の弁護士に依頼しても
日当や交通費などの費用が
節減できるメリットがあることを覚えておいてください。
それによって、事案によっては、
遠方の弁護士に依頼することも
選択肢としてあるということです。

僕は東京の弁護士ですが、
長崎の会社と大阪の会社が当事者である
大阪の裁判を引き受けたこともありますし、
京都の会社と札幌の個人が当事者である
札幌の裁判を引き受けたこともあります。

大阪の裁判は、和解と証人尋問があったので、
何度も大阪に行きましたが、
札幌の裁判は、ほとんど電話で、
証人尋問の2回だけ札幌に行きました。


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