弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第72回
訴訟に勝つための作戦集18−
相手の持っている証拠を出させる(文書提出命令)

裁判は、法律上の理屈と証拠で
勝敗が決まるという話をしましたが、
重要な証拠だけれども、
相手が持っているということも、
よくあることです。

相手は自分に不利になるような証拠は
当然出してきません。
そういうときに、利用できるのが
文書提出命令(民事訴訟法220条)です。

契約書や覚書のほか、
相手方に損益計算書や
貸借対照表などの決算書類や
元帳なども提出を求めることができます。

相手が、自分に不利になることを理由に
文書提出命令に従わず、
証拠を提出しない場合には、
こちらが主張している事実が
真実であると認められることとなります。

この文書提出命令は、
訴訟の当事者でなく、
第三者が持っている場合にも
利用することができます。

国や地方自治体など
いわゆる役所が持っている文書についても、
この文書手出命令により
文書を提出してもらうこともできます。

強力な効果を持つ文書提出命令ですが、
守秘義務のある内容の含まれている文書や
日記やメモなど
個人のために作成された文書の提出を
求めることはできません。

それから、一番の弱点は、
存在しないと主張されることです。
存在しないと主張された場合、
存在することをこちらで立証しなければなりません。
これは、内部通報者でもいない限り困難です。

僕も、訴訟で、文書提出命令により、
決算書や元帳の提出を求めたところ、
廃棄したという回答をされたことがあります。

みなさんには、
相手や第三者が持っている証拠でも
出させる方法があるということを
覚えてもらいたいと思います。


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