弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第69回
ネット詐欺

・実際にお店に行かなくても買い物ができる。
・欲しいものを探し回らなくても探すことができる。
・他では手に入らないものが売りに出ている場合がある。

そういう手軽さ、便利さが受けているせいか、
インターネットオークションをはじめとして、
ネット上で、商品を購入する方が増えているようです。
しかし、それに従って、代金を騙し取られたり、
偽物を購入させられたりした
ネット詐欺の被害者も増加しているようです。

先日も、ネット詐欺の加害者が逮捕され、
被害総額1億円以上ということが、
報道されていました。

詐欺は、昔からある犯罪です。
通常の商品購入であれば、現実に商品を見て、
商品を受け取るのと引き換えに代金を払うので、
商品を渡さずに、
代金を騙し取るにはテクニックが必要です。

偽物を売りつけるにしても、
精巧なものでなければ、ばれてしまいます。
したがって、以前は、
詐欺は、プロの犯罪でした。

しかし、インターネット上の取引が普及すると、
みなさん、善人なのか、平和ボケしているのか、
どうしても商品を欲しいからなのか、
「商品が届かない」、
あるいは「偽物が届く」などということは何も考えず、
代金を先に振り込んでしまうようです。

インターネットでは、
相手がどこの誰かはわかりません。
本当に商品を持っているかどうかも確認できません。

通常、ネット上の取引では、
メールや携帯だけでやり取りしていることが多いようです。
しかし、メールや携帯を切られてしまえば、
相手に全く連絡を取る手段がなくなってしまいます。
ネット上の取引は、騙す方にとっては、
すごく都合のよい環境なのです。

日本人だけなのかどうかはわかりませんが、
ネット上の言葉だけで信じてしまう人が多いようで、
ネット詐欺はどんどん増加し、
通常であれば、詐欺をすることなどできない
少年やOLなど素人が
詐欺を行なうケースも増えてきているようです。

知らない人、知らない会社から、
ネット上で商品を購入することは、
本当に危険です。

有名デパートや
有名メーカーから購入するのであれば、
代金前払いでも大丈夫だと思いますが、
知らない人、知らない会社から、
ネットで商品を購入する方は、
いわゆる代引き(代金引換)か、
商品受取後払いをお勧めします。

どうしても、自分が知らない人、
知らない会社から代金前払いで
購入したいという方は、
騙されたときは仕方がないという覚悟で、
代金を支払ってください。


←前回記事へ

2005年6月16日(木)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ