弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第75回
お金がなくても弁護士に相談できる

前回、トラブルに巻き込まれたときに、
弁護士に相談依頼するには、お金がかかるので、
万が一のときに備えておく必要がある
という話をしました。

しかし、現実にトラブルに巻き込まれてしまって、
お金がないという場合もあると思います。
というより実際は
そういうケースの方が多いです。

そういう場合どうしますか?
市区町村の無料相談に行くという方も多いと思います。
相談で済む案件はそれでもよいでしょう。
しかし、弁護士に依頼した方がよいケースもあります。
こういう場合、市区町村の無料相談では、
弁護士費用を出してくれるわけではないので
役に立ちません。

お金がないけれど、
トラブルに巻き込まれた場合には、
法律扶助協会で
法律相談を受けることをお勧めします。

法律扶助協会は、収入の少ない人にも
法的なサービスを受けられるようにしている国の事業です。
法律相談は無料で、
もし弁護士に依頼したい場合には
弁護士費用を立て替えてくれます。
この弁護士費用も、
普通に弁護士に依頼するよりはるかに安いです。
みなさんは、法律扶助協会が
立て替えてくれた弁護士費用を
月々5000円〜1万円くらいを
法律扶助協会に返済して行けばよいのです。

法律扶助協会を利用するに当たって、
気を付けなければならないのは当然のことながら、
収入の多い人は利用できないということです。
収入の多い人は、
自分で弁護士費用を捻出してください。
また、会社や事業者は
法律扶助協会を利用できません。
会社経営や事業を営む人は、
弁護士費用を自分で用意してください
ということだと思います。

法律扶助協会で弁護士費用を立て替えるのは、
裁判で勝つ見込みの高い事案に限られます。
お金がないばっかりに勝つ見込みの高い裁判を
負けてしまうのは可哀想なので
国が面倒をみるけれども、
勝つ見込みの少ない事案について
裁判をしたいというのであれば、
それは自分の費用負担でやってください
ということです。

法律扶助協会では、
借金の整理の相談も受けつけています。
全国の法律扶助協会の連絡先は下記のとおりです。
http://www.jlaa.or.jp/branch/index.html

お金はないけれども
弁護士が必要という方は、
連絡してみてください。


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2005年7月7日(木)

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