弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第103回
遺言は後にした方が優先

契約書は、一度署名捺印をしたら、
もう後から変えることはできません。
だから、遺言書も一度書いてしまうと、
もう変えられないのではないかと思っている方も
多いことでしょう。

しかし、遺言書は、
契約のように相手との約束ではありません。
遺言をする人が1人で内容を決めることができます。
だから、一度、遺言書を作成したとしても、
何度でも作成し直すことができます。

例えば、長男に遺産を与えようと思って、
遺言書を書いていたけれども、
長男の嫁は自分に冷たく、
次男の嫁の方が自分に優しいので、
次男に財産を多く相続させたいという場合には、
前の遺言書を取り消して、
次男に財産を多く相続させる遺言書に
書き換えるということもできるのです。

普通の人は遺言書を書くと考えると、
畏まって考えてしまい、
ますます遺言を書けなくなってしまう
ということだと思います。

もちろん、自分が亡くなった後のことを
真剣に考えることは必要です。
しかし、しばらく経って、
考えが変わったら
また書き直せばよいのです。
だから、もう少し気楽に
遺言のことを考えてもよいのではないでしょうか。

公正証書遺言は、費用もかかるし、証人も必要で、
戸籍謄本などを用意しなければなりません。

遺言書をもう少し簡単に
作成する方法はないかというと、
簡単に作成する方法もあります。

それは、自筆証書遺言といって、
自分で遺言書を書く方法です。

それについては、また、次回。


←前回記事へ

2005年10月20日(木)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ