弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第171回
保険金が支払われない

みなさん、
万一のことがあったときのために、
生命保険や
損害保険をかけていると思います。
新聞やテレビで報道されているように、
保険金が不当に支払われない
ということも多いようです。

保険会社としては、
保険料の収入が多く、
保険金の支払いを少なくした方が
利益を多くできるので、
なるべく保険金の支払いを少なくしようとします。
保険会社のそういう姿勢が
昨年の保険金不払いを理由とする
損害保険各社に対する行政処分に
つながったのかもしれません。

ほとんどの損害保険会社が、
行政処分を受けているので、
損害保険会社には、
事故が起きたときに、
細かい特約については
支払う意思がなかったと思われても
仕方がないでしょう。

保険会社の立場に立てば、
保険金は、契約者から請求があったときに、
それについて
保険金の支払いをするかどうか
検討するのだから、
保険契約者から請求がなければ
支払わなくても仕方がない
ということなのかもしれません。

本来は、自己責任なので、
契約者が自分の保険内容を知らずに、
特約について保険金を請求しなければ
払わなくても仕方がないかもしれません。

しかし、保険契約の約款は
細かい文字で書かれているし、
自分が選択していない保険特約についても
書かれているので、
自分の保険契約の内容が
わかりにくいものとなっています。
それに、保険の営業マンも
保険契約を締結するときに、
どういうときに
どういう保険金がいくら出るのか、
どういう場合には
保険金が出ないのかを
わかりやすく説明をしないのが普通だと思います。 

その点を考えれば、
保険会社は、
事故があったという報告があったときには、
保険会社側で、
契約者の保険契約内容をその時点で説明し、
全ての特約について、チェックして、
その事情を聞いて積極的に
保険金を支払ってもよいと思います。
それが保険会社のサービスのような気がします。
大手の保険会社も
そういう風にはしていなかったことは驚きです。
今回の行政処分で、保険会社は、
そのように変わるのでしょうか?

みなさんも、契約をするときには、
面倒でも、契約内容について、
よく説明を受け、よく読みましょう。


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2006年7月11日(火)

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