弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第218回
被害者は民事でも刑事でも追及できる

被害者は、加害者に対し、
民事でも、刑事でも
責任を追及することができます。
加害者の責任を追及するためには、
警察が捜査してくれなければ始まりません。
そのためには、被害者が
刑事告訴することが必要な場合もあります。

加害者が逮捕され、
刑事裁判が始まっても、
これまで、被害者は、
刑事裁判の情報を
知らされることはありませんでした。
今は、警察や検察庁に問い合わせをすれば、
教えてくれることとなっています。
刑事裁判を傍聴したい場合には、
検察官などが便宜を図ってくれますし、
被害者としての意見を
裁判官に聞いてもらう機会もできます。
被害者は被害を受けたのですから、
その損害を賠償してもらうことができます。
これは、民事責任の追及
ということとなります。

刑事責任は、加害者が
罰金や懲役などの刑罰を受けることです。
これに対し、民事責任は、
加害者が被害者に対し
損害を賠償するというお金の話になります。
現在は、民事と刑事の手続は別で、
裁判も別にやる必要があります。
ただ、刑事裁判までに、
加害者が被害者に対して、
損害の賠償をしたり、
損害賠償の約束をしたりすると、
刑事裁判では、刑が軽くなるなど
加害者にとって、有利な結果になります。

そこで、加害者に
ある程度お金がある場合には、
刑事裁判で刑が決まるまでであれば、
損害賠償の話ができると思います。
これがいわゆる「示談」です。

示談ができれば起訴されない(刑事裁判とならない)、
あるいは、示談ができれば
執行猶予がつく見込みが高い場合には、
加害者は示談金を用意しようとします。
しかし、刑が決まってしまえば、
示談金を払っても刑が軽くなることはないし、
刑務所などに行くこととなれば、
示談金を払う資力もありません。

だから、示談をするのであれば、
加害者が起訴される前か、
刑事裁判の判決が出る前の方が
よいということとなります。


←前回記事へ

2006年12月21日(木)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ