弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第245回
お金を貸すのはリスクが高い

みなさん、親から借金はいけない
と言われて育った方が多いと思います。
逆に、お金を貸すことはどうでしょうか?
借金ほどだめだと言われずに
育てられたのではないでしょうか?
しかし、お金を貸すことは、
リスクが高い行為で、
人間関係をだめにする可能性がありますから、
注意が必要です。
お金が戻らないかもしれないと思って、
お金を貸す人はほとんどいないと思います。
借りたものは返す、貸したものは返ってくる、
そう考えているのではないでしょうか。
しかし、よく考えてみましょう。

お金を借りる人は、基本的に、
お金に困っている人です。
しかも、今の時代、収入がある人なら、
サラ金やカード会社から50万円くらいであれば、
借りることは簡単です。
それにもかかわらず、みなさんに、
お金を貸して欲しいという人は、
既に多額の借入がある
あるいは、収入がないなどの理由により、
サラ金から借入ができないくらい
財政状態が悪化していると推測されます。
ということは、お金を貸して欲しいという人は
借りたお金を返すのが難しい状態にあり、
お金を貸す行為は、
かなりリスクが高いということが
お分かりいただけると思います。

それにもかかわらず、
お金を貸して欲しいと言われて、
言われるままに貸してしまうと、
当然に借りた方は返せなくなって、
貸した方は「必ず返す」という言葉を信じていたのに
裏切られたと思い、借り手を恨むようになります。
それまで、仲がよかったのも、
それまでということになってしまいます。

お金を貸して欲しいと言われたら、
その場しのぎのお金を貸しても無駄になるだけです。
借金があるようであれば、
借金を破産などでチャラにして、
生活を立て直すようアドバイスしてあげましょう。
それから、頼まれて、お金を貸すのであれば、
戻ってこなくても相手を恨まないか、
一度自分の胸の中で確認してから、
お金を貸すようにしましょう。


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2007年3月29日(木)

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