弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第277回
弁護士は縛られている

法律上の争いごとを解決するための代理人になるには、
弁護士資格が必要です。
(ただし、一部、司法書士もできるようになりました。)
だから、弁護士でもないのに、
他人から紛争解決の依頼を受けて、
解決したら報酬をもらっている人は、
弁護士法違反を理由に、
刑事罰を受けることとなります。
そういう意味では、
弁護士の仕事は、
法律によって保護されていると言えます。

しかし、その代わり、
弁護士は、弁護士法と弁護士職務基本規程
というルールで、規制を受けており、
このルールに違反すると、
弁護士会から懲戒という罰を受けることとなります。
懲戒には、単なる注意から、
業務停止や弁護士資格の喪失まであります。
例えば、どういうルールがあるかというと、

1 一方当事者から相談を受けた場合に、
その相談者を相手方とする事件を引き受けてはいけない。

タレントが恐喝した疑いの事件で、
最初は、タレントに対し、
お金を請求する側だったのに、
その後タレント側に立ち、
借金を免除させようとした人がいたようです。
弁護士では、そんなことをしたら、
このルールに違反することとなり
弁護士会から懲戒を受けますが、
弁護士でない人は、
もともとが違法ですから、
そんなことはお構いなしなのかもしれません。

2 依頼者に有利な結果になると保証してはいけない。
依頼者としては、
弁護士に「裁判は必ず勝つ」
と保証して欲しいところだとは思いますが、
裁判は、相手方の主張と証拠を判断して、
裁判官が判断するものなので、
「必ず」はありません。
そこで、「必ず勝ちます」
などと依頼者に保証してはいけないこととなっています。
だから、逆に
「必ず勝ちます。」
「必ず取れます。」
などと言う弁護士は信用できないこととなります。

3 依頼者との間で、
お金の貸し借りや保証をしてはいけない。

4 依頼者の紹介を受けた場合に紹介料を支払ってはいけない。
などというルールもあります。

詳しく知りたい方は、弁護士職務基本規程※1を見てください。


1  http://www.nichibenren.or.jp/ja/jfba_info/rules/
data/rinzisoukai_syokumu.pdf





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2007年7月26日(木)

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