弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第294回
セクハラ・パワハラなど会社相手の訴訟では

最近では、セクハラ・パワハラなど会社内での
人間関係に基づくトラブルが
訴訟になることも少なくありません。
訴訟で勝つためには、証拠が必要となります。
そして、当事者以外の証人が必要となります。

しかし、セクハラやパワハラが
社内で公然と行なわれている
ということは少ないでしょうから、
社内の誰がその事実を知っているかはわかりません。

仮に、知っていた人がいたとしても、
自分がこれからずっと継続して勤務していく会社に対して
不利益な証言を、
会社から恨まれることを覚悟で
証言してくれる人を探すことは難しいです。

在職中は、相談に乗ったり、
励ましてくれたりしていたのに、
訴訟で証言まではしてくれないということもあります。
ひどいときには、会社の敵として、
今までの同僚らとの付き合いも
なくしてしまう可能性があります。
だから、会社相手に訴訟を起こすのは、
精神的にもきついものがあります。

会社相手の訴訟を起こす場合、
メールなど自分に有利となる証拠は、
取っておいた方がよいでしょう。
また、セクハラ・パワハラなどについては、
当事者間で話し合ったときには認めることも多いので、
録音をしておくことも重要です。
証人としては、事実を知っていて、
もう会社を辞めてしまった人がいれば、
協力をしてもらえる可能性があります。





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2007年10月2日(火)

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