弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第307回
未上場株式の価値

日本のほとんどの会社が未上場で、
将来の上場予定もないのに、
株式を持つ意味は何かという話をしています。

株主の権利の1つとして、
利益の配当を請求する権利があります。
だから、利益が出て、
毎年配当をしてくれるような会社であれば、
未上場の株式でも、持っている価値はあります。
しかし、実際は、未上場の会社で、
配当をしている会社は少ないです。
どちらかと言えば、普通の会社は、
法人税を支払わないで済むように、
利益を出さないようにしているのが普通です。

前回説明した
解散したときの会社の財産を分けるよう請求する権利
(残余財産分配請求権)は、
会社の営業を止めなければなりませんから、
現実的ではありません。

とすると、未上場の会社の株式を持つ意味は、
ただ1つということになります。
それは議決権です。
しかし、株式会社の決議は、
株式数に応じた基本的に多数決ですから、
過半数を持って初めて意味を持つのです。
過半数を持てば、取締役を選任することができ、
代表取締役も選任することが可能となりますから、
会社を意のままに動かすことができます。
役員報酬や利益配当についても、
会社の経営を危うくするものではなければ、
自由に決めることができます。

以上のように、未上場の株式を持つ意味は、
株式の過半数を持って、
会社の経営権を持つことにあるのです。
即ち、未上場の会社においては、
株式の過半数を持つと価値がありますが、
半数にも満たない株式は
ほとんど価値がないということとなります。

普通の会社では、
株主が会社に株式を買い取るよう請求する権利もありません。
だから、半数に満たない株式を持っていても、売れないし、
配当はもらえないし、
議決権を行使しても、
会社の経営は過半数の株を持っている株主の
好きなように決められてしまいます。

このように
未上場の会社の過半数に満たない株式には、
あまり価値がないということを覚えておいてください。





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2007年11月15日(木)

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